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人と仕事 駐在員メッセージ
Resident Message

CIPSの海外駐在員が、海外勤務の魅力、日本との違いから休日の過ごし方までをリアルに紹介します。

  1. 01 from America
  2. 02 from China
  3. 03 from Thailand

伊藤忠プラスチックス 包材第二本部
海外事業統括部 US包材課
Y.U

  • アジア太平洋学部 アジア太平洋学科卒業
  • 2017年入社
  • 趣味:ジム
01 from America

海外勤務は最終ゴールではないが、
あなたの夢への一歩だと思う。

当社に入社前は、伊藤忠ベトナム化学品部の営業をしており、ベトナムの小売(コンビニエンスストア)向け食品包材販売等を担当していました。日本に帰国後も身近に仕事の成果が感じられる、同様の仕事に携わりたいと考え、食品包材関係の仕事なら以前から知っていた伊藤忠プラスチックスだと思い、2017年12月に入社しました。

現在の勤務地は、アメリカ・ヒューストン。主な業務は北米の小売、もしくは代理店向けの食品包材の営業です。主に東南アジア・東アジアの容器を、アメリカ向けに輸入・販売しています。また、現地包材メーカーとの協業案件、伊藤忠グループの食品部隊/化学品部隊と協力し新規市場開拓も行います。お客様はアメリカの東海岸・中西部・西海岸に点在しているので、国内出張とはいえ移動距離も長い上、州ごとに包材に関する法律も異なるため、州の法律に準拠し、さらにお客様の要望に合う包材を提案することに、多くの時間と労力を費やしています。

またアメリカでは食品包材に関する考え方が日本とは異なり、機能性やデザイン性を特に重視する傾向にあります。アメリカで営業を成功させるには、アメリカ独自のマーケット情報を収集し、トレンドを考慮した提案ができるよう、工夫した企画案を考えることが必須です。
商習慣の違いは、アメリカは日本と比べてフラットだということですね。商談相手が、性別や肩書で態度を変えるようなことはなく、女性の私でも働きやすいと感じることが多いです。しかしその分、仕事の成果や実績が重視されるため、それなりのプレッシャーもあります。
そして「平日は時間外の連絡・やりとりをしない」「休日の連絡は NG」という文化なので、メリハリがあってやりやすいのですが、緊急時の連絡であっても、「ホリデイ中なので」と社内スタッフから返事が来ないことがあると焦ってしまうこともあります。でも、お客様にその事情を説明して、「ホリデイならしょうがない」とあっさり納得してもらえることもあります。
アメリカは広いので、同じ国内でヒューストンとニューヨークは1時間、ロサンゼルスとは2時間、時差があることに最初は慣れなかったですね。朝イチに連絡をとろうと思っても LA は始業まで2時間ある、夕方に連絡をとろうとすると NY は終業してしまっている…など、やっと最近、先方の時間を考慮して連絡をするのに慣れてきました(笑)。

休日は、ジム通い、友人とカフェ巡り、美術鑑賞、買い物、映画を観に行ったりしています。
アメリカはたくさんの観光地があるので、旅行の回数は増えましたね。さらに嬉しいのは、日本ではチケットが手に入らないようなアーティストでも、比較的手ごろな価格の上、小さな会場で演奏することが多く、好きなアーティストを近くで見られるのは感動しますね。また、ライブや野外フェスに行くこともよくあります。

就活で商社を希望する方なら、海外で働きたい!という方は多いと思います。ただ海外勤務は、大変なことも多いということは知っておいてください。現地の言葉を話し、食生活に慣れ、生活基盤をつくり、商習慣や法律を学ばなければなりません。日本勤務であれば、周りにたくさんの先輩や同僚、上司がいて、何かしらフォローしてくれるかもしれません。でも海外では少数精鋭で組織されることが多いので、孤独を感じることもあるし、責任も大きくなります。しかし、慣れない海外でマーケットを創り出す努力は、自分の仕事のフィールドを広げ、自分の人生に大きな変化をもたらすことは間違いないと思います。
海外で働くことが最終ゴールではありませんが、海外勤務をひとつの目標に会社を選ぶことは、あなたの夢に1歩近づく手段になるのではないでしょうか。

広州伊藤忠商事有限公司
中国合成樹脂部 華南自動車課
T.I

  • 経済学部 経済学科卒業
  • 2018年入社
  • 趣味: 野球、旅行
02 from China

念願の海外勤務で人脈・経験を幅広く習得、
刺激的な駐在生活を満喫中。

学生時代から、いろいろな国で生活したいという強い思いがあり、就職活動は海外勤務のチャンスが多い会社、主に商社を軸に考えていました。特にCIPSはグローバルに拠点があり、海外で活躍している若手社員も多いと知ったため、第一志望としてエントリーしました。
2022年に赴任し、中国 広州、及びその他 華南地区に所在する自動車部品メーカー(主に日系自動車メーカーに関連する部品メーカー)への、合成樹脂原料の販売・営業を担当しています。最近の中国は著しく成長しており、自動車市場含め様々な業界でさらに発展・変化し続けています。そんな拡大する市場に合わせて、中国から各国への輸出業務も増え続けており、追い風になっています。

仕事をする上で大事にしていることは、ただ単純にモノを仕入れて売るのではなく、目まぐるしくトレンドが移り変わる市場の中、商社としての情報網を活かし、いち早く情報をキャッチすることで、顧客やメーカー含む利害関係者と有益な情報を共有することです。これは、伊藤忠グループの企業理念「三方よし」(「売り手よし」「買い手よし」「世間よし」)に通ずるものだと思っています。

駐在で初めて中国で生活し、いろいろなシーンで異文化を感じることがあります。一例としては、中国人と日本人の働き方の意識の違いです。私見ですが、中国人にとって会社は、自分自身の仕事をこなして報酬を得るためのフィールドという感覚です。一方、日本人は会社に所属しているという意識が高く、同僚などとチームとして協業し、成果を上げるという感覚だと思います。このような意識の違いで、中国人スタッフは上司・同僚への情報共有が少ない傾向にあり、そこに戸惑いを感じました。そこで、出来る限り現場に出向き、自ら情報共有することを心がけるようにしました。こうした違いを頭ごなしに日本式に正すのではなく、その国の国民性の良さを活かした上で、日系企業の組織をより良くローカライズすることが大事だと強く感じています。

駐在地では、広州にある日本人野球チームに所属しています。チーム内のメンバーとは、野球のみならずゴルフや飲み会もあり、集まる機会が多くあります。広州の日本人駐在員の方々は先輩が多く、いろいろな経験を積んでいるので、ご一緒させていただく度に、同業界だけでなく他業界の情報や仕事の機会をいただくことがあります。コミュニティが小さい分、濃い人脈の中で様々なチャンスを得る機会も多いのだと思います。

さらに海外赴任中は、日本人同士の結束が強くなる傾向にあるのか、日本では出会えないような職種・職位の方と知り合えるなど、自身の人脈形成には非常に恵まれた環境だと思いますね。その一方、日本人コミュニティから一歩抜け出せば、海外現地ならではの体験も出来ますので、様々な面で日本では味わえない刺激的な生活を送ることが出来ています。

CIPSは語学研修の機会も多くあり、英語や中国語等の学習機会も希望をすればいつでも参加可能です。海外で働いてみたい!海外の生活を経験してみたい!という海外志向が強い学生の皆さんは、是非、CIPSを選んでいただき、海外勤務に挑戦することをおすすめします。

i-Plastics Asia Ltd
Deputy Managing Director
Administration General Manager
N.K

  • 商学部 経営学科卒業
  • 2009年入社
  • 趣味:キャンプ、料理、バレーボール、ソフトボール、釣り
03 from Thailand

海外勤務は通過点。
明日を見つめて、今をひたすらに。

2009年、キャリア採用で伊藤忠プラスチックスに入社しました。前職は税理士事務所に勤務しており、お客様の記帳代行や税務申告書の作成、会計・税務・経営アドバイザリー業務を行っていました。お客様である経営者の方々は、いろいろな経営課題を抱えながら事業運営をされている事が多く、私は間接的ではありますが、その解決のお手伝いもさせていただいておりました。ここで培った経営者目線の経験は、いまだに私の会計人としての根幹となっており、とてもやりがいのあるものでした。その一方、中には経営改善がなかなか進まないケースもあり、次第に社外からではなく社内の当事者としてダイレクトに経営に携わりたい、という気持ちが大きくなり転職を決意しました。転職活動では業種を限定せず、会社の風土や文化を特に注目しました。その中で伊藤忠プラスチックスの面接で感じた風通しのよさ、明るさ、そして心地の良い緊張感に惹かれ入社を決めました。

タイのバンコクにある CIPS 子会社の i-Plastics Asia Ltd. (以下 IPA)に、2023年から駐在、勤務をしています。IPA では Administration General Manager としての管理業務を行っています。基本的には、営業以外すべての業務が職域になります。取締役会などの経営会議の運営・事業計画の作成、親会社である伊藤忠プラスチックスとの窓口業務などの経営企画業務や、人事・総務、与信管理、経理などのバックオフィス業務の統括など多岐にわたります。
また IPA では Deputy Managing Director も拝命していますので、会社の経営方針や業務執行に関する意思決定などにも直接携わっています。

タイの人たちは、よく穏やかとか優しいと言われますが、タイに来て「その通り」だと実感しました。基本的に困っている人は放っておかず、助けの手を差し伸べてくれます。そのやさしさに、私も何度救われたかわかりません。また、ワイ(頭を下げ合掌するタイの伝統的な挨拶)に代表されるようにお辞儀の文化もあり、所作もどこか控え目です。そういうところも日本人に近い部分があり、違和感なく人間関係をスタートすることができました。

その一方で、コミュニケーションには十分に気を遣わなければなりませんでした。言語の違いによるミスコミュニケーションはもちろんですが、そもそも控えめな国民性ゆえに、能動的・積極的な発言・発信が少ないので、行き違いも少なからずありました。それを解消するために今では、聞く機会を多く作ったり、何度も確認したり、話しやすい雰囲気を作ったりすることを心がけています。

食生活については、やはり和食が恋しくなるので、土曜日週末は 1 週間分の和食の常備菜(普段から用意しておく副菜)を作り置きしています。タイの日本食レストラン等は高いので、タイ料理以外は自炊が多いですね。好みの味に仕上げられる点も良いと思います。
日曜日はバレーボールかソフトボールをしています。熱いタイでのプレイはいまだに慣れませんが・・・。
チームメイトやタイ人プレイヤーの方々との交流、アフターの食事会など、とても楽しい時間を過ごしています。

最後に海外勤務を希望している方々に、私の経験上大切にしていることを 2 つお話しします。まずは①将来のビジョンをしっかり持つこと、次に②想定外のことを成長のチャンスととらえることです。
①について、ビジネスパーソンとして将来どのような人間になりたいのか、具体的に何をしたいのか、そしてそのために今、何をすべきか考えることはどのような場面においてもとても重要です。具体的な目標を定めることで、その目標を達成するための具体的な手段が明確になります。その点でいえば海外勤務の経験も、将来の目標の実現に向けた数多くの手段のひとつにすぎませんが、目標が明確なら海外勤務経験から得られるものが、より有益で深いものになると思います。
②について、日本で生活していても、思い通りにならないことは多々あると思います。それが海外だったら、想定外のことが当たり前のように起こってしまうのは容易に想像できるでしょう。私の場合、思い通りにならないことがあっても、焦らず腐らず落ち込まず、できるだけ冷静に、できるだけ前向きに対処するように心がけています。そうすれば多くの場合、想定外のことが自分の見識を広げるきっかけになると信じています。皆さんも想定外のことがあっても「こんなはずではなかった」と必要以上に落胆せずむしろ期待通りにならないことを成長のチャンスととらえ、大いに楽しんでみてください。
せっかくの海外勤務です。明日を見つめて今をひたすらに生きることで、それはかけがえのない経験になると実感しています。